デザイン的なアプローチ

バーティカル・マスター・プランニング

商業ビルの交流エリアは通常、1階のポディアムを中心に「コミュニティの場」として機能しています。人気のスポットでランチをしたり、コーヒーを飲んだり、公共スペースで休んだりと、住民同士が交流できる場所です。ただ、特に高層ビルなどではこうした「休憩」をしに行くために、逆に長い移動が必要となり、住人同士が顔を合わせる機会を減らしてしまっています。

Inspi07

Odomは、このようなコミュニティの場のコンセプトを取り入れていますが、その場所を1階のみではなく、いくつかのスカイビレッジとして、オフィスタワー内に縦に分けて配置しています。こういった交流エリアは、共有の設備や屋外の緑地スペースを提供することにより、カンボジアの村で活きているコミュニティの精神を未来の暮らしへと反映させています。遊び心に溢れた階段や屋外エリアがあるこれらの「場」は、階層を上げてより利用しやすくすることで、住人たちが親密になったり、隣や違う階に入っているオフィスの人たちと出会ったりするチャンスも増やしてくれます。

デザインのインスピレーション

Odom Towerは、石の積み重ねで建築されているアンコール寺院から着想を得て、4つの特性に分かれています。レンガや竹、その他現地の建材を活用した建物内のスカイビレッジは、国が近代化していく中でも現地の建材を尊重し、モダンなデザインに活かせるよう再考したい、そういった想いが込められています。